メールマガジン版「場の議論」

メールマガジン版「場の議論」 2020-06-10T13:04:56+09:00

「場の議論」での議論の内容の一部は、日経BP「Food Science」をウェッブ公開してきましたが、休刊となったため、弊社の「リテラジャパンメールマガジン」で引き継ぐこととなりました。
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リスクコミュニケーション、通称リスコミは近年、その必要性が重視されてきている“技術”です。社会ではさまざまなリスクが喧伝されています。食の安全は脅かされ、医療は信頼できない、と。しかし、それは本当でしょうか。リスコミはリスクを冷静に分析し、専門家の知識と社会を直接に結びつける技術です。メールでは、独自書き下ろし、リテラジャパンが主宰している勉強会「場の議論」での、食、医療、環境の議論を「実況中継」し、リスク議論を深める場を提供しています。

※最新号については弊社HPからご覧ください。2020年6月現在、最新は5月発行141号です。

メールマガジン版「場の議論」バックナンバー

  • 第1回(2010年8月31日配信):場の議論「ニセ科学」(ゲスト:大阪大学サイバーメディアセンター 菊池誠先生)
  • 第2回(2010年9月30日配信):場の議論「うつの勉強会」(ゲスト:昭和大学精神医学教室 岩波明先生)
  • 第3回(2010年10月29日配信):場の議論「薬のリスクを伝える」(ゲスト:サイエンスライター 佐藤健太郎氏)
  • 第4回(2010年11月30日配信):場の議論「食品表示は誰のため?」(リスコミフォーラムスペシャルからの中継)
  • 第5回(2010年12月28日配信):場の議論「トクホの表示は広告か」(リスコミフォーラムスペシャルからの中継)
  • 第6回(2011年1月20日配信):場の議論「C型肝炎訴訟から見えるメディア介在の問題点」
  • 第7回(2011年2月28日配信):場の議論「日本は異文化? 薬のコストとベネフィットをどう考えるか」
  • 第8回(2011年3月31日配信):場の議論:「海外の目:原発事故をめぐる海外メディアの論調」
  • 第9回(2011年4月30日配信):場の議論:「放射性物質の検査証明書がない!」
  • 第10回(2011年5月27日配信) 場の議論:「放射性物質の検査証明の統一化を」
  • 第11回(2011年6月15日配信) リスクニュース×解説:「携帯電話と発がん」 書評:関谷直也『風評被害』
  • 第12号(2011年6月28日配信) 場の議論:「放射性物質の基準はそう決まったのか!」
  • 第13号(2011年7月7日配信)  場の議論:「茶葉検査の代償」
  • 第14号(2011年7月31日配信) 場の議論:「ユッケ問題の核心は?」
  • 第15号(2011年8月19日配信) リスコミA-Z:「リスコミが進まない理由とは?」
  • 第16号(2011年9月9日配信)  場の議論:「生涯100ミリシーベルトは何値か?」
  • 第17号(2011年10月12日配信)場の議論:「異なる価値観をどうすり合わせたらよいか」
  • 第18号(2011年11月30日配信)場の議論:「安全委員会の答申はリスク評価なのか?」
  • 第19号(2011年12月27日配信)リスコミA-Z:「守りのリスクコミュニケーション」
  • 第20号(2012年1月15日配信)粉ミルク無償交換という対応・リスコミA-Z:「リスクコミュニケーションの誤解」
  • 第21号(2012年1月25日)リスコミA-Z:「リスクリテラシーをどうするか」
  • 第22号(2012年2月8日配信) 「ニュース解説:無審査遺伝子組み換え添加物は多くを語る」
  • 第23号(2012年2月17日配信) 場の議論:「粉ミルク無償交換という対応の検証」
  • 第24号(2012年2月24日配信) リスコミA-Z:「メッセージの組み立て方」
  • 第25号(2012年3月21日配信) 場の議論:「 粉ミルクの無償交換という対応の検証・最終回」
  • 第26号(2012年4月30日配信) 場の議論:「冷蔵庫では菌が繁殖しない?」(予告編)
  • 第27号(2012年5月6日配信) 場の議論:「冷蔵庫では菌が繁殖しない?」(前編)
  • 第28号(2012年5月10日配信) 場の議論:「冷蔵庫では菌が繁殖しない?」(中編)
  • 第29号(2012年5月18日配信) 場の議論:「冷蔵庫では菌が繁殖しない?」(後編)
  • 第30号(2012年6月5日配信) リスコミA-Z:「メディアとの付き合い方」
  • 第31号(2012年6月12日配信) 場の議論:「記者会見は開くべきか?」
  • 第32号(2012年7月2日配信) 場の議論:「内部被ばくの科学」(前編)
  • 第33号(2012年7月7日配信) 場の議論:「内部被ばくの科学」(中編)
  • 第34号(2012年7月30日配信) 場の議論:「内部被ばくの科学」(後編)
  • 第35号(2012年8月9日配信) 場の議論:「内部被ばくの科学」(最終回)
  • 第36号(2012年9月5日配信) 場の議論:「英国のサイエンスリテラシー」
  • 第37号(2012年10月2日配信) 場の議論:「リスクの本当の大きさ」
  • 第38号(2012年11月16日配信) 場の議論:「大都市の災害対策」
  • 第39号(2012年12月12日配信) 場の議論:「大都市の災害対策」
  • 第40号(2013年1月5日配信) 場の議論:「福島の米:風評被害を忘れない」
  • 第41号(2013年2月15日配信) 場の議論:「新型インフルエンザへの過剰反応は危機管理の問題」
  • 第42号(2013年3月19日配信) 場の議論:「あいまいなGM表示が新技術と社会の対話を阻む」
  • 中略
  • 第46号(2013年6月27日配信) 場の議論:「のりしろの少ない時代のリスク対応」 最終回
  • 第47号(2013年8月14日配信) 場の議論:「中国産は危ない?」
  • 第48号(2013年9月27日配信) リスコミA-Z:「リスクコミュニケーションの課題」 前編
  • 第49号(2013年10月18日配信) リスコミA-Z:「リスクコミュニケーションの課題」 後編
  • 第50号(2013年10月22日配信) 場の議論:「食品表示の一元化 その行方は?(前編)
  • 第51号(2013年11月8日配信) 「リスクコミュニケーション」新書の内容「チョイ読み」
  • 第52号(2013年11月15日配信) 場の議論:「食品偽装、ディメンションの違い」(前編)
  • 第53号(2013年12月16日配信) 場の議論:「食品偽装、ディメンションの違い」(後編)
  • 第54号(2013年12月25日配信) 「やってみなはれ」を危機にも
  • 第56号(2014年1月21日配信) リスコミA-Z:「学生はこう考える:科学の言葉がなぜ伝わらないか」
  • 第57号(2014年3月10日配信)「 アクリフーズは何を間違えたのか」 第1回 (前半)
  • 第58号(2014年5月13日配信) 「アクリフーズは何を間違えたのか」 第2回 (後半)
  • 第60号(2014年7月25日配信) 「カネボウ白斑問題から考える:医薬部外品とは」 第1回
  • 第61号(2014年8月13日配信) 「カネボウ白斑問題から考える:医薬部外品とは」 第2回
  • 第62号(2014年9月8日配信) 「カネボウ白斑問題から考える:医薬部外品とは」 第3回
  • 第63号(2014年9月24日配信) リスコミA-Z:「専門家の陥る数字と論理の罠」
  • 第64号(2014年11月5日配信) 「カネボウ白斑問題から考える:医薬部外品とは」 第4回
  • 第65号(2014年12月1日配信) 「カネボウ白斑問題から考える:医薬部外品とは」 第5回
  • 第66号(2014年12月15日配信) 「カネボウ白斑問題から考える:医薬部外品とは」 第6回
  • 第67号(2015年1月17日配信) 「これでいいのか、フードディフェンス」 第1回
  • 第68号(2015年1月24日配信) 「これでいいのか、フードディフェンス」 第2回
  • 第69号(2015年2月1日配信) 「これでいいのか、フードディフェンス」 第3回
  • 第70号(2015年2月8日配信) 「これでいいのか、フードディフェンス」 最終回
  • 第71号(2015年2月22日配信) 場の議論:「機能性食品表示」(前編)
  • 第72号(2015年3月2日配信) 場の議論:「機能性食品表示」(後編)
  • 第73号(2015年4月28日配信)リスコミA-Z:「原発事故とリスコミ」 (前半)
  • 第74号(2015年5月19日配信)リスコミA-Z:「原発事故とリスコミ」(後半)
  • 第75号(2015年6月25日配信)「新しい食品表示基準」(前半)
  • 第76号(2015年7月10日配信)「新しい食品表示基準」(後半)
  • 第77号(2015年7月31日配信)リスコミA-Z:「欧州は予防原則の先駆者という誤解」
  • 第78号(2015年8月7日配信)リスコミA-Z:「見た目?伝え方?が9割」
  • 第79号(2015年8月8日配信)「食品への異物混入について」
  • 第80号(2015年8月27日配信)「今後10年のがんリスク判定:分かりやすいリスコミの例」
  • 第81号(2015年9月7日配信)リスコミA-Z:対談「リスコミの場の作り方」(PARTⅠ)
  • 第82号(2015年10月9日配信)リスコミA-Z:対談「リスコミの場の作り方」(PARTⅡ)
  • 第83号(2015年10月23日配信)リスコミA-Z:対談「リスコミの場の作り方」(PARTⅢ)
  • 第84号(2015年11月27日配信)リスコミA-Z:対談「リスコミの場の作り方」(PARTⅣ)
  • 第85号(2015年12月15日配信)リスコミA-Z:対談「リスコミの場の作り方」(PARTⅤ)
  • 第86号(2015年12月26日配信)リスコミA-Z:対談「リスコミの場の作り方」(PARTⅥ)
  • 第87号(2016年1月16日配信)リスコミA-Z:対談「リスコミの場の作り方」(PARTⅦ:最終回)
  • 第88号(2016年1月30日配信)リスコミA-Z:「日常の感覚で説明すること」
  • 第89号(2016年3月27日配信)リスコミA-Z:「虚構が通じる時代ではない」
  • 第90号(2016年4月10日配信)リスコミA-Z:「失敗は想定内。それを恐れてはならない」
  • 第91号(2016年4月16日配信)熊本での地震:「海外での法幢と支援について」
  • 第92号(2016年4月26日配信)リスコミA-Z:「チェルノブイリ事故から30年、福島事故から5年」
  • 第93号(2016年5月8日配信)リスコミA-Z:「ソフトがないがしろにされるのは」
  • 第94号(2016年5月17日配信)リスコミA-Z:「給食タケノコから放射性物質、という報道」
  • 第95号(2016年5月29日配信)リスコミA-Z:「原発事故がどこまで理解されたのか」
  • 第96号(2016年6月20日配信)リスコミA-Z:「聞く力」
  • 第97号(2016年7月19日配信)リスコミA-Z:「海外で身を守るには:ベルギー渡航で考えたこと」
  • 第98号(2016年8月13日配信)リスコミA-Z:「伝えること=聞くこと」
  • 第99号(2016年10月2日配信)リスコミA-Z:「リスコミの悩み」
  • 第100号(2016年10月16日配信)リスコミA-Z:「コミュニケーション不要論」
  • 第101号(2017年1月9日配信)リスコミA-Z:「【世間】とリスコミ」
  • 第102号(2017年1月23日配信)リスコミA-Z:「会話を取り戻す」
  • 第103号(2017年2月14日配信)「読者の声(1)」
  • 第104号(2017年2月27日配信)読者の声(2):「赤はSTOP?GO?」
  • 第105号(2017年3月5日配信)BuzzFeedインタビュー:「なぜ福島のデマが残り続けるのか?専門家が勘違いしてたこと」
  • 第106号(2017年3月26日配信)「責任追及して終わりはおかしい」
  • 第107号(2017年3月31日配信)「那須雪崩「想定外だった」ということ」
  • 第108号(2017年4月27日配信)トークイベント:「伝える×伝わるコミュニケーション」報告
  • 第109号(2017年5月22日配信)発信力:「トランプさんと小池都知事とピコ太郎とラ・ラ・ランドに負けるな」から学んだこと
  • 第110号(2017年6月13日配信)『共感力』
  • 第111号(2017年7月28日配信)『やばいことを伝える技術』9月 毎日新聞より出版決定!詳細は→こちら
  • 第112号(2017年9月01日配信)今月の一文「寛容性とイノベーション」
  • 第113号(2017年10月15日配信)今月の一文「やばいことを伝え損ねてしまった:神戸製鋼所の例」
  • 第114号(2017年10月30日配信)今日の一文「「知ることだけでは不十分」
  • 第115号(2017年11月08日配信)リスコミの一文「「当たり前、を変えてみる」
  • 第116号(2018年2月13日配信)リスコミの一文「大切な話があります」と言われたら
  • 第117号(2018年3月14日配信) 今日の一文「風評被害キャンペーンが分断するものとは」
  • 第118号(2018年3月27日配信) 今日の一文「ネットが情報から人を遠ざけた」
  • 第119号(2018年4月20日配信) 今日の一文「電子レンジで老化は起こるのか:食品中のAGEからの考察」
  • 第120号(2018年5月18日配信) 今日の一文「伝わったか 確認しよう」
  • 第121号(2018年7月31日配信) 今日の一文「おもてなし・炎上・暴力の境目とは?」

(中略)
2018年現在、121号まで発行しております。詳しくはトップページの
メルマガ情報をご覧ください。

以下、53号の内容を少しお伝えします。

─ 目次 ──────────────────────────────

◆はじめに
◆「場の議論:食品偽装、ディメンションの違い」(後編)

────────────────────────────────■◆■

こんにちは、リテラジャパン代表、西澤真理子です。
冷え込んでまいりました。いかがお過ごしでしょうか?

11月中旬からドイツ、スイス、スウェーデンに出張いたしました。
筆者の長く住んだStuttgartにも行ってきました。そこではいくつか
気づくことがありました。経済の悪化した南欧からの労働者でしょうか、
外国人が増えた感じです。
一方、街は南欧の人たちの持ってきた、明るい文化で、以前より華やいで
見え、街全体から新鮮な印象を受けました。Stuttgartは保守的な土地柄。
外国人にはあまり暮らしやすい街とは言えなかったから余計にです。

出張先でよく聞かれたのは「日本の海洋汚染は?」「漁師はどう生活しているの?」
「避難している人は帰ることができたの?」「原発はどうするの?」
どの国でも原発事故への関心がとても高かったです。ちなみにドイツ、スイスは
自国での原発の廃止を決めています。

さて、今回の「場の議論」では食品偽装の話の後編をお届けします。
11月5日に開催された「リスコミ勉強会」の内容です。

──────────────────────────────

◇場の議論「食品偽装、ディメンションの違い」(後編)◇

────────────────────────────────■◆■

西澤(司会)「なぜこれほど多くの偽装のケースが相次いだのでしょうか?」

記者「『偽装』は、消費者が知らないことが多いので、レストランが
そのギャップで利益率を上げていたのが今回はただ単に『バレた』という話
ではないでしょうか?実際、中身を見ればやっていることは悪くない、
とも言えます。牛脂を注入したりして、安くして美味しくなる訳ですから」

商社「(阪急のケースは)内部告発で自主申告に追い込まれたと聞きました。
でも実は消費者庁に一回報告していた。そこから今回の発表までが
遅れたのが叩かれる原因でしょう。ディズニーランドで食品偽装が見つかった
のを受けて、自分たちも調べてみたら見つかった。だから消費者庁に申告した。
やっぱりそのときに発表していれば、というケースでしょう」

食品メーカー「でもレストランがそれほど叩かれるのはどうなのでしょうか?
お客さんの極端なブランド志向も問題だと思いますけれど」

記者「そうかなあ。消費者はそんなにブランドにこだわっていないと思う。高い
お金を払ったのだからおいしいものを出してくれと思う訳です」

流通「ブランド化したり差別化すると説明責任が生じるのは当たり前です。
だから『信州そば』とかやらないで単に『そば』と出してしまえばよいじゃない
ですか」

外食「そうですよ。うちの定番メニューでも食材を確保できなければオーダー
ストップする店があります。それを謳っているところもある。それも付加価値
でしょう」

流通「阪急ホテルのシェフが褒章を辞退したと聞きました。すごく良い調理を
していたのにかわいそうに思える。安い素材でもおいしくなるように手間を
かけていたのに。。おいしさは素材だけではない。手間暇をかけるところも
大事ではないでしょうか?」

メーカー「確かにそれは一理ありますね」
——–
以下、続く

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