リスクコミュニケーション
ハザードとリスクの違いや、動物実験のデータをどう理解するかなど、リスク評価は「難しい」
という理由で、なかなか社会に正しく伝わりません。
しかしその一方でリスク評価は、われわれが安心で安全な暮らしを営む上でとても大切です。
リスクを正しく理解せず、不当に大きなリスクであると過大評価したり、あるいは逆によく分からないまま過小評価してしまうことは、風評被害や、思わぬ結果につながってしまう場合があります。
科学的な根拠に基づいたリスク管理をしていくことと同様、リスク評価を正しく読み解き伝えること(リスクコミュニケーション)は、とても重要なのです。
EU の EFSA や日本の食品安全委員会など、多くの国や地域のリスク評価機関が「リスクコミュニケーション機関」も兼ねている理由がここにあります。
リスクの大きさを伝える
リスク評価を伝えるための一つの方法は、そのリスクの大きさを、他のリスクの大きさとの比較で
伝えることです。
例えば下の図のように、発がんの危険因子(ハザード)には、運動不足や生活習慣など様々あります。
喫煙、野菜不足などの偏った食生活による発がんへの寄与度は実に大きいということが、他との比較で
よくわかります。
安全で安心な社会をつくるために
目に見えないもの、未知なもの、不確実なものへの不安はつきものです。その不安を軽減するために、
食品のリスク評価がどのようになされているか、その仕組みを分かりやすく社会に伝えていくことは、
とても大切なのです。
リスク評価の仕組み、課題を理解し、それを一般に読み解くためのリスクコミュニケーションを積極的に
行っていきましょう。
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