1月27日(木)開催の弊社主催リスクコミュニケーションセミナー(リスコミセミナー)では、リスコミの現在とこれからについて、率直な意見が交わされました。
味の素の萱沼氏からは、同社の「品質」は商品だけに限らず、消費者の声を聞くところまで含み、企業と消費者が互いに高めあっていくことが大切、というお話がありました。
西澤は、他国の行政の動きが国内議論に影響を及ぼすため、企業は他国の食品行政のしくみをもっと知る必要がある、と説明。
花王の安川氏からは、企業が変わらないといけない点についての指摘があり、コミュニケーションはマネジメントの一環としてとらえられる必要があると、問題提起されました。
毎日新聞の小島氏は、読者と記者(現場)の持つ情報のかい離が大きく、メディアがリスクの大きさを伝えていないバイアスがある現状を変えるために、企業がメディアが流す情報への感度を上げる必要がある、と指摘。
森田氏からは、不安な消費者が食べ物情報に食い物にされないためには、第三者の介在が必要である。「消費者視点」が注目されているが、「もったいない」という視点も大切だ、とのお話がありました。
パネルディスカッションでは、さまざまなメディアが「娯楽」と「報道」のどちらの役割も果たしており、ゆえに、リスク報道が過剰になる傾向があるのではないか。食品リスクは他のリスクに比べれば小さいが、食べ物は個人がリスクの管理者だから小さくてもそこはなんとかコントロールしたい、という思いがある。だから、消費者は食のリスクについては敏感だ、との指摘がありました。
今後は、事業者・生産者、消費者、メディア間の対話、そして、信頼関係の構築が大切と認識し、パネル議論が終了しました。
セミナー後の懇親会では、ネットワーク作りの話で盛り上がりました。
ご参加ありがとうございました。
[このセミナーは終了いたしました]
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講師・パネリスト
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タイムテーブル
- 13:00~13:05 主催者ご挨拶
- 【一部】 食品のリスコミの現状と課題
- 13:05~13:25 企業のリスコミの試み 萱沼 公恵
- 13:25~13:50 EFSAおよび欧州の試み 西澤 真理子
- 13:50~14:10 企業のリスコミで何が変わったか 安川 拓次
- 【二部】 情報伝達の課題
- 14:10~14:30 メディアとリスク 小島 正美
- 14:30~14:50 消費者と事業者・生産者の距離感の問題 森田 満樹
- 14:50~15:00 休憩
- 【三部】 パネルディスカッション:食とリスクコミュニケーションのこれから モデレーター:西澤 真理子
- 15:00~16:15 パネリスト:小島 正美、前村 聡、大村 美香、阿南 久、小出 重幸、安川 拓次
- 16:15~16:30 会場からの質問と討議
- 閉会 終了後 懇親会 (17:00~19:00)
本セミナーの収益金の一部は、難病の子供たちが自然の中で過ごすことができるキャンプ「そらぷちキッズキャンプ」(北海道滝川市)へ寄付いたしました。
そらぷちキッズキャンプサイト→http://www.solaputi.jp/
社会貢献活動ページ→http://literajapan.com/activities#act02
ビデオ公開
■リテラジャパン代表ご挨拶、講演者のお話【約6分】