【メルマガ】最新号は「原発事故とリスコミ (前半)」

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リテラジャパンメルマガの最新号は「原発事故とリスコミ」です。

•第73号(2015年4月28日配信) リスコミA-Z:原発事故とリスコミ (前半)

以下、抜粋です。

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震災の半年後、私は福島県飯舘村の避難住民に放射線リスクを正しく伝える
活動をしました。そこでいろいろ見てきたものをお話したいと思います。
私が問題意識をもっているのは、漫画「美味しんぼ」騒動*に見られたよう、
いまだに低線量被曝について大きな誤解があるということです。放射線リス
クの伝え方に相当問題があったのではないかと考えています。なぜ低線量被
曝が非常に危ないものだと言われるようになったのか。そしてなぜ今でも、
そのことを引きずっているのか。避難住民がいた現場ではどうだったのかを
お伝えたいと思います。
(*2014年5月の小学館のビックスピリッツ連載漫画に、福島での被ばくに
より鼻血が出たという描写があり、社会論議を引き起こした。)

福島県飯舘村は福島第一原発から30kmほど離れたところにあったため、当時
ここにはおそらくセシウムは降ってこないだろうと言われていました。しか
し、事故当時の風向きが北西だったため、飯舘村の一部地域は高濃度に汚染
されていたとのちに分かりました。SPEEDIが適切に公開されなかったこ
となど、いろいろ問題がありますが、とにかく当時は状況がよく分からなく
て、住民は2カ月くらい飯舘村にとどまっていました。その2カ月間には、い
ろいろな科学者が来ていろいろなことを言っていました。 例えば、年間100
ミリシーベルトの被曝でも健康に影響はないと言われていました。飯舘村の
住民はそれを聞いて、「大丈夫だ」と思っていました。しかし、飯舘村の住
民は、その2カ月後に全員避難するように言われたのです。 「科学者は当初
そこに住んでいても大丈夫だと言ったのに、なぜわれわれは避難しなければ
ならなくなったのか。結局、嘘をついていたのではないか」というふうに、
科学者や自治体に対する不信感と怒りと諦めが高まりました。また、住民が
インターネットで検索すると、「危ない」という情報ばかり出てくるため、
非常に混乱していました。私は飯館村の 一人のお母さんと2人になった時に
「誰のことを信じたらいいのか教えてほしい」とこっそり聞かれました。も
う誰も信じられない状況になっていたのです。初期の情報伝達が不適切でし
た。(以下、続く)
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2016-10-24T16:47:09+09:00 2015.03.02|Categories: メルマガ|