【メルマガ】「電子レンジで老化は起こるのか:食品中のAGEからの考察」
4月20日にメルマガ第119号を発行しました。
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今日の一文
「電子レンジで老化は起こるのか:食品中のAGEからの考察」
ヘルスヴィジランス研究会 理事 齋藤充生
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糖とタンパク質・アミノ酸が存在すると、メイラード反応を起こすことが知られて
いる。メイラード反応では、反応性に富んださまざまな物質が生成され、終末糖化産
物(Advanced glycation end products: AGE)を産生する。
糖化やメイラード反応は体内でも起こり、身近なところでは、検診などで測定され
るHbA1Cもヘモグロビンの糖化を測定しており、赤血球の寿命の1~2ヶ月間の血糖値
の指標となる。
メイラード反応は糖とタンパク質・アミノ酸の量、接触時間、温度により促進される
ため、老化により、体内のタンパク質と糖が反応して産生するAGEが増加する(軟骨
の色素沈着など)ことが知られている。また、糖化したタンパク質の分解により遊離
したAGEが腎臓に集積することも報告されている。
一方、食品中にも糖とタンパク質が存在するので、加熱調理により、メイラード反応
が起こり、反応が進むときつね色(褐変)、香ばしさなどとして認識される。一方、
ポテトチップスやコーヒーの中から検出される発がん性物質として注目されたアクリ
ルアミドもメイラード産物の一つである。
最近、電子レンジで老化を起こすとの説が流行している。
(中略)
このような説が生まれ、流行した背景には、AGEや終末糖化産物という言葉のもつ
おどろおどろしさ、電子レンジ(マイクロ波照射)という新しい技術への不安と便利
な生活への背徳感、老化による生体内AGE増加と外来AGEの半ば意図的な混同、極端な
条件の動物実験のヒトへの外挿などが考えられる。
一方、国内の専門家からは、このような説に対し、冷静な反論が行われているよう
には感じられない。「電子レンジ老化説」の前ではあるが、学会誌の解説でも、食品
由来のAGEの記載(メラノイジンと呼ばれるメイラード産物を含有する味噌や醤油な
どの伝統食品を含む)について、先の米国論文との違いがあるように感じる。
(続く)
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