[メルマガ発行]防災と自助:自分で何とかするの限界 メルマガ 第167号

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 防災と自助:自分で何とかする、の限界
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2月に入りました。一段と冷え込んでいます。お元気でしょうか?
リテラジャパン西澤です。

 いよいよ「防災とジェンダー」のシンポジウムが2月10日に開催されます。https://tdmtc.tokyo/event/bosai_gender/ 
 昨日は登壇者と打ち合わせを行いました。それぞれがこれまでの現場の経験を持ち寄り、防災の枠組みで見落とされがちなジェンダーの視点で今の日本の防災のあり方を検証していきます。
会には、神戸で女性の支援の第一人者として活躍してきたウィメンズネット神戸代表の正井礼子さんが冒頭に講演され、参加くださることが決まりました。https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202301/0015939645.shtml 
 最近、神戸新聞の賞も受賞され、地道な活動をされてきた正井さんからのお話は貴重でしょう。ウィメンズネット神戸による最新刊『女たちが語る阪神淡路大震災1995-2024』(ペンコム)では、あの時のこと、そして今置かれた状況をどう思うのかが、多くの当事者の証言で書かれています。私も一気に読みましたが、貴重な記録です。

 さて、日本では「自助」が強調されます。でも、災害時には犠牲になるのは「自助」出来ない弱者です。小さな子供、老人、障碍者などは、多くが自分では避難が出来ない、できたとしても逃げ遅れてしまいます。そこで女性が助けを差し伸べることで犠牲になることは、どの災害でも繰り返されました。(「「自らの命は自らが守る」を問い直す」という、講演者の松田氏の過去の動画です→https://youtu.be/9BGx6-mm3Z0)

 自助が難しい人をどうするのかの視点がないままに、「強靭化」しても、限界があるのです。ちなみにこの「強靭化」については英語のレジリエンス(resilience)が日本で独自の解釈をされたとも関係者から聞きます。本来であれば、Resilienceとはしなやかさ、柔軟性を意味します。この言葉を取っても「防災」の枠組みに誤解があるでしょう。
 さて、石破首相の施政方針演説がありました。その中では地方創生と防災復興が上げられています。石橋氏は「楽しい日本」を目指すなかで防災立国を目指し危機管理を確立すると述べられています。それが何を意味するのかは分かりません。でも少なくとも、いまだに国際基準のスフィア基準(https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20180501_01.html)を達成した避難所の整備が不備で、阪神淡路大震災から30年経っても体育館での雑魚寝となると、人権を尊重した避難環境の整備でさえも、なんだか長い道のりの様に思えます。(以下続く)

2025-02-01T12:55:16+09:00 2025.02.01|Categories: メルマガ|