[メルマガ]リテラジャパンメルマガ 第173号 『戦争の大問題』という本を読んで

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『戦争の大問題』という本を読んで

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さて、夏休みということで本号でも一冊ご紹介します。
元伊藤忠商事会長で民間初の駐日大使 丹羽宇一郎(にわ ういちろう)氏の『戦争の大問題』(東洋経済)です。https://str.toyokeizai.net/books/9784492212639/ 
 この時期にはテレビでも新聞でも、戦争の特集が組まれますが、この本も本屋さんの「戦後80年」特集の棚に置かれていたものです。
 太平洋戦争を振り返るためにはたくさんの視点が必要になり圧倒されます。どこから手を付けていいのか分からない状態になります。
 本著は戦場経験者のインタビューを基に、日中戦争、シベリア抑留など、幅広い視点から書かれています。特徴は、筆者の経営経験から、今でも日本に続く責任の所在の曖昧さから、なぜ日本は負ける戦争をする決断をしてしまったのか、を描いている点です。この「責任の曖昧さ」は、確かになぜ?と常日頃感じるところです。なお筆者が行った伊藤忠商事での「責任の曖昧さを切る」経験が紹介されていますので、ここは経営でも参考になるでしょう。

中略

さて、繋いでいくという点では、教育が大切だと考えています。今年で4年目となった日大大学院での授業では、先週に、福島第一原子力発電所での処理水と汚染水の管理についての授業を筑波大学の津旨大輔先生をお呼びして行いました。発電所には何回か足を運んでいますが、知らなかった部分も多く、学生たちからも講師に沢山の質問がありました。
 また来月には花王さんの和歌山県にあるエコラボミュージアム(https://www.kao.com/jp/corporate/outline/tour/eco-museum/)をすみだ本社で再現して頂きながらの授業を行います。
 こういった企業の最先端の取り組みは学生に見せていくことが大切です。企業の方のご協力に感謝しています。
 丹羽氏は「戦争の真実を知って、なお戦争をする人間はいないはずだ」と書かれています。だからこそ若い世代と一緒に現場に足を運ぶ、知る、見る、語ることが大切だと考えます。

8月31日に発行しました。無料登録はまぐまぐでお願いします。

2025-08-31T11:49:30+09:00 2025.08.31|Categories: メルマガ|