【リスコミ勉強会】「IARC 加工肉で発がん」「機能性食品」開催報告

【リスコミ勉強会】「IARC 加工肉で発がん」「機能性食品」開催報告

■勉強会報告1■
10月28日開催の勉強会では、メーカー、流通、記者が
集まり、27日にメディアで大きく取り上げられた
「加工肉で発がん」などを取り上げました。

「加工肉で発がん」という報道では誤っている点が
いくつかあります。
IARCはリスク評価しません。ハザード分類を行っています。
つまり、IARCの評価は発がん物質であるかどうかの分類で、
リスクを評価する第一歩でしかありません。
多くの報道ではハザードとリスクが混同されています。
リスク評価はあくまでも各国のリスク評価機関が行います。

また、「加工肉を初めて発がんと認定」という見出しは、
ミスリードです。
認定というのはCertifyの和訳ですが、IARCは分類
(Classify)し、認定、という表現は誤解を与えます。
IARCはグループ1(明らかに人に発がんがある)
にアルコール飲料や太陽光線、たばこや喫煙などを
分類しています。

ただ、これらがどの程度の発がんリスクを持つかどうかは
別の話です。

ハザードは有害物質で、リスクは有害性の程度や度合い
です。

お酒はハザードですが、それがどれだけのリスクになるかは、
「量」の話です。

また、報道ではどれだけの肉の量を日本人が食べているのか、
の話が抜けていて、きちんと母集団を書かないと
実際の危険の度合い(リスク)もわからないとの意見が。

リスク評価の話は確かに分かりにくいです。
わかりやすい解説を弊社のトップページ左下にある
「リスク評価ハンドブック」
に載せています。リンクをクリックしてください。

毎日新聞 小島正美氏

■勉強会報告2■
9月のリスコミ勉強会では機能性食品の可能性と現状の問題点を、
リスコミ勉強会ではおなじになった元厚労省、
現平成帝京大の齊藤先生からの
話題提供後、メーカー、流通、記者や研究者と
議論しました。

「特保と機能性表示の違いは判らなくなってきた」
「機能性食品は普通の食品のプレミアム化」

4月に制度が始まってからの実感の声が聞こえました。

ただ、消費者団体からはこの制度への批判の声が出ており、
を取材した記者は、「企業との対話の場がないから
フラストレーションがたまっている」
とも。丁寧な対話が必要だと感じました。

2017-04-10T03:48:09+09:00 2015.10.13|Categories: リスコミ勉強会|