【メルマガ】2021/8/29【『ニュースの未来』から対話を考える】リテラジャパンメルマガ 第144号

【メルマガ】2021/8/29【『ニュースの未来』から対話を考える】リテラジャパンメルマガ 第144号

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最近読んだ本『ニュースの未来』石戸諭著(光文社新書)
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残暑お見舞い申し上げます。皆さま、お元気でしょうか。
リテラジャパン 西澤真理子です。

さて東京オリンピックが終わり、パラが開かれています。
他方、オリンピックスタジアムの近くの渋谷の接種会場での若者の大行列を見るにつけ、政策と現場の不一致が垣間見れます。
高齢者の接種は9割近く完了していますが、現役世代と若者に接種が遅れています。
急がれます。

コロナ禍中のオリンピックと科学・技術への信頼について
AERーにインタビューが掲載されましたのでぜひご一読くださいませ。

*  *  科学的知見から「開催は普通ではない」とされた東京五輪だが、政府は「安全・安心」と唱えながら強行開催した。リスク管理・コミュニケーションコンサルタントの西澤真理子さんは、科学よりも政治が優先されたことに危機感を抱く。AERA 2021年8月16日-8月23日合併号の記事を紹介。https://news.yahoo.co.jp/articles/d6b56a9b59e59f54d35f26ddd2f1aac2331b9831?fbclid=IwAR1M9MGWRn7G3pEofPkbPIBqYEgnCLKF3qVaJ610ZpdPMRJjMT2vVpDk7jU *  *  *

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最近読んだ本『ニュースの未来』石戸諭
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待ちに待った石戸さんの最新刊・新書です。

前回ご紹介した白井聡さんの本(『主権者のいない国』)のなかで、
「この7年の間に報道人が失ったのは、「私の放つ批判の言葉は世の中に届くはずだ」という確信ではなかったか。
徒労感、孤立への恐怖。これらが、報道人の姿勢を内側から崩したのではないか」という記述がありました。
二項対立は健全な対話とそして、言論自体を封鎖してしまうのではないかと危惧します。

石戸さんはそれに解決の道筋を提案しています。
それは「良いニュース」を届けること。それを受け取る人を増やすことです。

良いニュースを作る人を支える仕組みが大切です。本に詳しくありますが、様々なメディアの取材を受けると思うのは、記者さんは庶民感覚がある、同じような日々の問題意識がある人たちです。「マスゴミ」という批判を受けるに値しないですし、この表現を見ると残念に思います。

これも白井さんが書いていますが(AERA 2021年8月16日-8月23日合併号)、
「きれいごとを言っても通用しないというシニカルな態度を取るのが大人で、
それが日本社会で生き抜く知恵だという考え方が主流です。しかし、そんな日本の常識は世界で通用しません」。

正しい間違っているの対立では見えなくなる、「物事の機微ニュアンス」を拾うことのできる記者さんを育てることが「良いニュース」を届け読むことにつながると本を読んで感じました。これは必須とは、コロナ問題で実感したことではないでしょうか。

石戸さんの書く「ニュアンス」の重要性は実に、リスクコミュニケーションにも被ります。(続く)

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2021-09-01T10:26:51+09:00 2021.09.01|Categories: メルマガ|