【メルマガ】第112号 イノベーションの芽を育む社会

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2017/9/1【イノベーションの芽を育む社会】リテラジャパンメルマガ 第
112号

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Litera Japan メールマガジン第112号    (2017年9月1日配信)

─ 目次 ─────────────────────────
◇『やばいことを伝える技術』本日 毎日新聞出版より発売!

◆毎日メディアカフェ「やばいことを伝える教室」など開催案内

◇今月の一文「寛容性とイノベーション」

◆「場の議論・リスコミ」サプリと健康被害、柔軟剤と香り 開催予告
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今日から9月です。いかがお過ごしでしょうか。
リテラジャパン 西澤真理子です。

新刊本、『やばいことを伝える技術』が毎日出版から発刊されました。

副題の通り、修羅場を乗り越え相手を動かすには、と、これまでの研究を実践を一般
向けに書いたものです。
職場、家庭、学校と、日常でも使えるように、沢山の例を挙げました。全国主要書店
に並んでいます(のはず)。

アマゾンや楽天からも注文できます。
ご一読の上、感想をお寄せください!
リテラジャパンホームぺージ
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毎日メディアカフェ「やばいことを伝える教室」など開催案内

出版を記念して、9月27日夕方、毎日新聞にあるメディアカフェでトークイベントを
行います。
また、リテラジャパンでも、10月17日の夕方に会場とのトークイベントを開催しま
す。ぜひ奮ってご参加ください。
リテラジャパンホームぺージ

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今日から新学期ですね。これからの将来を担う子供たちの創造性をどう生かすか、今
問われています。

わたしは公的機関のベンチャー投資の委員なども兼務していますが、とてつもない新
しい発想の持ち主は大概、普通の枠にはまらない方々です。その多くは一風変わった
キャラクターですが、話していて彼らの研究への真剣さ、情熱が伝わってきて、お
お!となります。

そりゃそうですよね。誰も考えないような発想をするには。

そういったことを考えている中で、「イノベーションの芽を育む社会とは」という一
文を、新聞のインタビューで読みました。それについてご紹介します。

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「イノベーションの芽を育む社会」
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これは、8月24日に読売新聞紙上の「第三回読売グローバル教育フォーラム」の講演
録に載せられた、開成中学・高校の校長である、柳沢幸雄氏の話です。

柳沢さんのお話の中のポイントは、「日本に必要なのは社会の許容度」。

アメリカのメジャーで活躍した野茂選手が当時日本でメジャー挑戦を発表すると、大
変なバッシングに見舞われたそうです。彼に対する批判的空気が変わったのは、アメ
リカで野茂さんが認められ始めたころ。そういう「空気」になった時点からだと。
空気を読むのは日本の文化のようなもので、多くの挑戦者は、そのチャレンジが賞賛
される空気になるまで、あまり評価されない。

また、日本人は技術力はあっても創造力が足りないからイノベーションには向かな
い、ということに、柳沢さんは反論します。

1999年のiモードなど、世界初の画期的な発明はいくらでもあるからです。でも、そ
れを育てられないのは、日本人が見慣れないものや新しい概念への警戒心が強いか
ら、イノベーションが発展していかない。

柳沢さんは、イノベーションの芽を育てるためには、イノベーターとそれを受け入れ
る空気が醸成されるまでの間のギャップをどう埋めていくかだと主張します。ただそ
れには、日本式の「前例主義」が壁となるので、それを取り除かないとならない。

1990年代の日本は時価総額の大きな会社がたくさんあったが、今は世界トップ25に一
社も入っていない。その現状を認識し、そして、前例にとらわれイノベーションを無
視するのではなく、その技術がもたらす未来を考えよう、と経営陣に訴えかけます。

そして、イノベーションとは「個人の資質」ではなく、「社会の許容度」の問題だと
投げかけています。

この話を読んで、いくつかのことを思いました。

ひとつは、平田オリザさんの『下り坂をそろそろと下る』(講談社現代新書)の中で
も書いてあるよう、経済の成長は望めないのだから、それを直視しよう、という発想
に転換すること。本の中でも触れられていますが、イギリスがその典型です。

ちょうど私が留学した1996年はサッチャー政権が徹底的な不採算分野(鉄道など)の
民営化や公的資金のコストカットを行った後で、大学の図書館の棚が「がらがら」、
ということを目にしました。

二つ目は、技術力と想像力があり、30代の経営陣が率いる日本のベンチャーが実にIT
部門で活躍している事実です。彼らの多くがシリコンバレーなどでの経験を経て起業
していますが、おそらく、自由で許容度の高いアメリカの西海岸の空気が志をつぶさ
なかったのだろうと思います。

「アメリカ人はレッツゴーなのよ。間違ったらソーリーという文化だから」。再生医
療研究を行っているサンフランシスコの教授が言っていたメンタリティーです。

三つめは、社会の不寛容度が高まっている問題です。拙書にも書きましたが、2015年
からこの問題は高まっていると感じます。ネットでの炎上やいじめなど、この社会の
息苦しさが背景にあると感じました。

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◆「場の議論」サプリと健康被害、柔軟剤と香り 開催予告

9月22日金曜に開催する「場の議論」では、豊胸サプリメントの健康被害を考えま
す。

10月中旬には、企業の専門家をおこし頂き、柔軟剤と香りについて考えていきます。
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□ 発行者:リテラジャパン http://www.literajapan.com
2006年に横浜に設立。リスクリテラシーの向上について、
社会学的視点から研究、提案などを行っているシンクタンクです。
代表は西澤真理子です。

尚、このニュースレターの内容を転載または抜粋したいという場合には、
必ず事前に editor.literajapan@gmail.com までご連絡下さい。

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2017-09-04T16:30:36+09:00 2017.09.04|Categories: メルマガ|