Litera Japan メールマガジン第113号 (2017年10月15日配信)
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◇「おとなの発達障害:会社と職場でのコミュニケーション」11月21日開催
◆17日火曜夜「やばいことを伝える教室 第二弾」 ご参加ください
◇今月の一文「やばいことを伝え損ねてしまった:神戸製鋼所の例」
◆17日火曜午後「場の議論」柔軟剤と香り
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すっかり寒くなりました。いかがお過ごしでしょうか。
リテラジャパン 西澤真理子です。
新刊本、『やばいことを伝える技術』お読みいただけたでしょうか?アマゾンのレビューに書いていただいたよう、一般向けリスクコミュニケーションの入門書です。前著は原発事故の例から考えていきましたが、今回は男女のトラブルの問題から始まり、できるだけ多くの事例を入れていきました。
職場、家庭、学校と、日常でも使えるように、沢山の例を挙げました。全国主要書店に並んでいます。
アマゾンや楽天からも注文できます。
https://www.amazon.co.jp
ご一読の上、感想をお寄せください!
さて、来月には少し違う角度からコミュニケーションを考えるイベントを毎日新聞出版と企画しています。本でも引用した岩波医師が登壇します。
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「大人の発達障害 働き方と職場のコミュニケーション 11月21日
参加者募集中!
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なんとなく周りとの会話をうまく進められない。企業にうまく溶け込めるとは思えない。就職できるのか不安でいっぱい。チームワークやマルチタスクが苦手な社員がおり、指導の仕方がわからない。子どもに落ち着きがなく、学習障害ではないかと言われているがどうしたら良いのかわからない。パートナーとコミュニケーションがどうしてもうまく取れない。接し方を知りたい。
そんなお悩みはありませんか?今、話題の発達障害。当事者はもちろん、周囲の人々も悩みながらも、正確な理解や支援がされていないのが現状です。また、うつ病などを併発し、発達障害が見逃されていることもあります。そんな発達障害について、医師から正確な知識を聞き、問題解決への道やサポートについての理解を深めませんか?
▼こんなことをお話します▼
実際の職場にて発達障害の当事者や、その周囲に診察やアドバイスを行う、発達障害の第一人者・岩波明医師と、コミュニケーションの専門家である西澤真理子氏による対談を通して、以下のような発達障害の現状や問題の解決策を探ります。
・発達障害についての正確な知識
・コミュニケーション問題の原因
・岩波医師の経験に基づく具体的な事例
・日本特有の文化とコミュニケーションの秘訣
・発達障害の人に適した職種や、住、職場環境とは何か
質問や会場との意見交換の時間もたっぷり設けます!西澤が岩波医師に様々な角度から質問をしていきます。ざっくばらんに体験を共有しながら、正しい理解を深めましょう!
▼こんな方におすすめ▼
・自分自身、コミュニケーションの取り方や「空気を読む」ことに 苦労しており、対処方法を知りたい!
・マルチタスクが苦手で、職場で仕事の進め方に苦労している
・職場で発達障害を持つメンバーがいるが指導の仕方や、仕事の向き不向きを知りたい
・これから発達障害のある方を雇用しようと思っている
・子どもに発達障害があり、サポートの仕方を知りたい
・パートナーとコミュニケーションが取れない。パートナーが発達障害なのではないか?
▲詳しくはこちらから →http://literajapan.com/20170923-3-2
対話型のイベントです!奮ってご参加ください。
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10月17日 「やばいことを伝える教室 第二弾」18:30より
参加費 2,000円(飲み物、お茶うけ、書籍付)
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最終お知らせです!まだ間に合います!ご参加ください。
こちらから→http://literajapan.com/2017-08-29
やばいことを伝えるための技術を共有する第二弾イベントを開催します。
「言ったつもりが伝わらない」「相手がわかりづらいだろうからデータまで使って細かに説明したのに、相手の反応がいまひとつ」「相手が誤解してトラブルになった」。
そんな経験、みなさんにもありませんか?ましてや、相手にとってネガティブなニュース、リスクのある内容、間違って伝わると「やばいこと」はどう伝えるのが良いのでしょうか?イベントではこうしたトラブルが起こる原因や背景を考えながら、 相手に誤解なく伝わるコミュニケーションの具体的な方法をわかりやすく解説します。
コミュニケーションで「あれ?なぜ?!」といった行き違いを感じたことのある方、すべてにおすすめです。
毎日メディアカフェでの第一弾イベント報告はこちら↓
毎日新聞の朝刊に報告があります↓
「相手視線で誠実に」斗ケ沢記者の記事
https://mainichi.jp/articles/20170928/ddl/k13/040/010000c
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今月の一文「やばいことを伝え損ねてしまった:神戸製鋼所の例」
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先週は、商工中金が全店で不正をしていたニュース、日産自動車での無資格社員による車の点検、そして、神戸製鋼所の検査データねつ造の報道まで、「やばいこと」話しが多くのメディアに登場してきました。
その中でも、神戸製鋼所の検査データの改ざんの発表の仕方は、まさに新著で書いた「やばいことを伝え損ねてしまった」例だと感じます。
少し分析しましょう。これは本の1章にある6つのパターンでいえば、2と4が混じっているケースです。
2.伝えるが伝えるべき内容を間違えている
4. 伝えるつもりがあるが、相手の拡大解釈を恐れて部分的にしか伝えない。
もしくは、6の リスクが高いからあえて伝えない、も入っているのかもしれません。
不正の事実が発覚してからの会社の「情報を小出しにする姿勢」に記者団からの非難が集まっていると報道されています。
例えば、10月8日の記者会見ではアルミ・銅の検査データで組織的な改ざんがあったと発表。10日には経産省がそれ以外の製品でも改ざんがあったと発表。それを受けて神戸製鋼は再び会見を開く。13日には主力の鉄鋼には社長自らが「改ざんの事実はない」と否定したものの、その翌日には鉄鋼にも含まれると発表。
二転三転して、結局、経営陣自らが「不正を隠そうとした」という印象が強く残りました。
改ざんという、品質軽視の態度も問題ですが、「不都合な事実」をなんとか隠そうとする企業の体質が社会とのコミュニケーションで露呈した典型例です。「やばいこと」を伝えるには誠実に、真摯に相手に向かわないとならないところ、社長が情報を小出しする姿勢が余計に印象を悪くしました。
最近ではパターン1の「伝える態度が悪い」例はさすがに減ってきましたが、こうした神戸製鋼の経営陣の態度は、パターン1ととらえられてしまいます。
事実(risk)と事実を伝えること(risk communication)は2つの別物。改ざんにより安全性がどう損なわれるのか(そうではないのか)の、分かりやすい説明が必要です。その説明の際には誠実に、分かっている情報を相手に伝えることが肝です。
伝えるコツは「小学校5年生でもわかること」。
皆さんの説明は大丈夫でしょうか?
詳しく知りたい方はぜひ本をお手に取ってください。勉強会やセミナー、イベントでは本に書いている内容を再現しますよ!ぜひお越しください。
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10月17日「場の議論」柔軟剤の香り、ヘアカラーのアレルギー
企業の担当者がサンプルを持ってきて説明してくださります!
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第50回場の議論を開催します。
10月17日(火)14:00-16:00
「生活の中の化学品との付き合い:ヘアカラーによるアレルギーと柔軟剤の香り」
本の4章で書いている勉強会です。
今回は、香りやアレルギーの問題は身近にある化学品とどう付き合っていくか問いかけます。ある人にとっては「良い香り」が、別の人にしては「臭い!」となり、ヘアカラーではアレルギーのトラブルが尽きません。今回は企業の担当者から、どうやって身の回りの便利で生活を豊かにする製品と付き合っていくかのお話を伺い ます。
この会はセミクローズの会です。ご案内は関係者の方にお送りいたしました。参加ご希望の方は弊社までお問い合わせください。
→前回の場の議論はこちら(豊胸サプリと食中毒)
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その他勉強会・イベントの予定
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11月14日(火)夕方「科学でも伝わらないことを伝える」
南相馬病院の医師 越智さんと対談します。風評被害、知識を超えて考えることについて現場での話を基に意見交換します。
11月30日は リスコミ勉強会(予定)です。
□ 発行者:リテラジャパン http://literajapan.com
2006年に横浜に設立。リスクリテラシーの向上について、
社会学的視点から研究、提案などを行っているシンクタンクです。
代表は西澤真理子です。